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島根県の宍道湖湖畔にある、社会福祉法人「桑友」の歩みを伝えるルポルタージュ。一地方の地域精神保健がどうかわってきたのか、が、優しいメッセージと共に理解できる内容です。
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武田牧子 元社会福祉法人桑友 理事 × 中島太一 中島映像教材出版 代表取締役
島根県松江市に拠点を置く社会福祉法人桑友の元理事、武田牧子さんとの交流は、もう5年になります。平成15年の日本精神障害者リハビリテーション学会長崎大会の懇親会で、「あなた、ビデオつくってるなら、うちの記録も作ってくれない?」と、声をかけられたのが最初です。
そして、それから2年にわたる出雲通いの結果でき上がったのが、現在、無料配布作品、ということで御案内させていただいている「湖畔より」という作品です。
中島 「湖畔より」をつくった時、実はとてもうれしかったんですよ。というのは、精神保健福祉に医療を加えた、いわゆるメンタルヘルス、というテーマとの出会いは、その10年くらい前に作った作品"あちこたねえ"(制作=全家連 平成8年)だったわけで、あの時は、精神障害者の地域生活支援がテーマで、僕はそもそも、地域、というものに非常に関心があるんです。
武田 精神障害者が病院の中にだけいて、地域に出てこられない、街で暮らせないという時代がずっとつづいていたでしょう。そのなかで様々な問題が出ていたんだけど、それを地域に戻して何とかしよう、というのが私たちが取り組んだことの最初だったわけだし。
中島 だから、「湖畔より」は、僕にとって久々、地域と真正面から取り組む作品だった。
武田 精神障害をもって生きる人たちが幸せに暮らしていくために何ができるのか、と考えた時、医療というのはそんなに大きな部分をカバーできるわけじゃないでしょう。
中島 僕の個人的な考えだけど、全体を10とすれば、医療ができることは1か2、福祉ができることは2か3、しかもその医療も福祉も、地域ときちんと連携がとれていなければ、ほとんど力を持たない。だから、障害をもった人たちが、それでも幸せに生きることができるようにするためには、地域、というものの果たす役割が、5割から6割は確実にあるわけで。
武田 そのために地域に力をつけてもらおう、というのが、新しくできた自立支援法なのです。
中島 なるほど。でもあの法律、結構キビシイこと言われているでしょう。
武田 いままでの福祉の枠組みというのを、行政側から根本的に変えていこう、という法律だから、現場の人たちは大変だと思う。
中島 そういう意味では、医療や福祉の現場の人たちが、どれだけ力をつけていけるのか、ということが、これからメンタルヘルスの世界が良い方向に向かうためにとても重要だ、ということですよね。いま、メンタルヘルスの世界は、新しい薬やカウンセリングの技術、さらには社会システムの提案まで、本当に幅広く、たくさん出てきている。それをうまく使えばかなりのことができるようになっている、と思うんです。僕の会社は、そうした新しいものを映像というメディアを使って紹介していくのが仕事ですからね。
武田 いまでも、やれ医療モデルだとか生活モデルだとか、そういう区分けで物事を考える人たちがいるけど、精神障害をもっていても地域で幸せに暮らせるためには、医療は何が、福祉は何が、そして私たちは何ができるのか、ということを総合して、もっとトータルな視点から考えていく必要があると思いますよ。
中島 そうなると、僕たちの仕事は、そうした様々な要素の接着剤になる、という役割もあるわけで。
武田 そう。だから、粘っこくこだわって、これからも元気でやっていってちょうだい。
制作・著作=星屑倶楽部(中島映像教材出版 製作・出版部)
※各監修者の所属・肩書き等の表記は、製作当時のものです。






